本講義では、動物や物質に注目した科学史・環境史を紹介し、自然と人間の関係について再考する。たとえば「野生生物」とは、今日では、人間に管理されていない野外の動物のことを指す。だが歴史的に見れば、野外に生きる動物から人間の介入を排除しようとする関係は、20世紀半ばに生まれたものである。このように本講義では、歴史を振り返ることによって、こんにち自明と考えられている自然と人間の関係を再考することを目指す。 講義の後半では、物質に注目した科学史・環境史について紹介する。ここではディープ・ヒストリーの観点から、人間と物質の関係について、時間的にも空間的にも大きなスケールで考える。これらの事例を通じて、現在の科学技術がどのような人間と自然の関係をつくっているのか考えるための視座を提供することが本講義の目標である。
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