タイトルタイトル
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科目名
環境と人間  
講義題目
生命を支える共生システム-細胞から生態系レベルまで-  
責任教員(所属)
江澤 辰広 ( 大学院農学研究院 )  
担当教員(所属)
江澤 辰広 ( 大学院農学研究院 )
小池 聡 ( 大学院農学研究院 )
前田 智也 ( 大学院農学研究院 )
吹谷 智 ( 大学院農学研究院 )
志村 華子 ( 大学院農学研究院 )
園山 慶 ( 大学院農学研究院 )
内海 俊介 ( 大学院地球環境科学研究院 )
菊池 義智 ( 大学院農学院 )
加藤 創一郎 ( 大学院農学院 )
 
科目種別 全学教育科目(総合科目) 他学部履修等の可否
開講年度 2024  期間 1学期 時間割番号 000310 
授業形態 講義 単位数 2  対象年次 1  
対象学科・クラス 基礎1-53組 補足事項 2016年度以前入学者は1単位 
ナンバリングコード GEN_LIB 1100 
大分類コード 大分類名称
GEN_LIB  全学教育(教養科目)
レベルコード レベル
1  全学教育科目(語学上級科目、高年次対象科目を除く)
中分類コード 中分類名称
1  総合科目
小分類コード 小分類名称
0  環境と人間
言語
日本語で行う授業
実務経験のある教員等による授業科目
該当しない

キーワード         
共生、寄生、進化、生物生産、植物、哺乳動物、昆虫、微生物、ウィルス、分子生物学、生態学、環境保全

授業の目標         
ヒトの消化管には多様な微生物-いわゆる腸内細菌-が共生し、消化吸収や健康の維持に重要な役目を果たしていることはよく知られていますが、ほとんどの生命体は複数の異種生物の集合体「ホロ生命体 (holobiont)」として成り立っていることは余り知られていません。現在の高等生物(植物や動物)の元となる細胞は、原始的な微生物同士の共生から生まれました---酸素を使って有機物を燃やす=呼吸を可能にした「ミトコンドリア」や光エネルギーを使って水と二酸化炭素から有機物を合成する「葉緑体」はその昔、別の微生物でしたが、今では細胞から取り出しても単独では生きていけません(細胞内共生説)。その後、長い年月をかけて複雑な生き物へと進化していきましたが、その過程においても様々な微生物やウイルスとの共生、戦いがそれらの進化を駆動してきたことがわかっています。共生システムと一言でいっても、自然界には一方の生物の存在無しでは、他方の生存もあり得ないという極めてリジッドな関係から、日和見的に成立するパートナー関係まで様々です。例えば、植物の害虫であるアブラムシの生存は、体内に棲息するブフネラという細菌の合成するアミノ酸により支えられていますが、ブフネラ自身も自立的に生きるための遺伝子を失っているため、アブラムシの体外では生存できません。一方、大気中の窒素ガスからアミノ酸の原料となるアンモニアを合成できる根粒(窒素固定)菌とマメ科植物との共生では、土壌にアンモニアなどの窒素肥料が豊富に存在すると、植物は根粒菌との共生を拒絶しますが、両者とも単独で生きていけます。生態系の一部である人類の生存も様々な生き物との相互作用の上に成り立っています。それは我々の体内に棲む微生物のように個体-個体レベルの関係から、食料となる作物や家畜との関係、産業活動により汚染された環境を浄化してくれる土壌や森林、海洋生態系との関係など、これらすべてを広く「共生関係」ととらえることもできます。本講義では、生命の基盤を支える様々な共生システムについて、細胞、個体から生態系レベル、さらには社会システムの範囲にわたって解説することにより、生物が長い進化の過程で獲得した巧妙な生き方である「共生」の原理について理解を深めてもらいます。

到達目標         
個体レベル、生態系レベルにおいて異種生物との様々な共生・協調を繰り返すことにより進化をとげてきた現在の地球上の生き物の歴史を理解し、生物資源の持続的利用や生物多様性の重要性について考察できる基礎をつくる。

授業計画         
講義内容の紹介と細胞内共生に始まる共生の歴史
植物の大繁栄を支えた共生体―共生は究極のエゴイズム
極限環境の植生を支える共生系―環境修復へのアプローチ
動物の消化管に共生する微生物-草食を可能にした微生物たち
動物の消化管に共生する微生物-SDGsに関わる微生物たち
動物の消化管に共生する微生物―クマの冬眠に貢献する腸内細菌叢
ヒトの消化管に共生する微生物―腸内細菌の健康への寄与
昆虫の大繁栄を支えた共生体―その多様性と進化
昆虫の大繁栄を支えた共生体―半翅目昆虫における研究最前線
微生物と微生物の共生―微生物も一人では生きていけない
微生物同士の協力と競争-自然界で多種の微生物が共存できる仕組み
寄生と共生の狭間に生きる植物―ラン科植物の生活環
生態系を支える多様な共生系-ようこそ、生態と進化の大演劇場へ
生態系を支える多様な共生系-今そこにある大演劇と人間活動

準備学習(予習・復習)等の内容と分量         
講義終了後に不明な基礎用語、事項について生物学辞典や生化学事典などを用いて調べることで理解を深める。

成績評価の基準と方法         
毎回の講義終了時に出席確認を兼ねて講義要旨および感想についての小レポート(A4一枚)を課し、下記の観点から1–5点の範囲で採点する(絶対評価):
・講義内容の理解度
・文章表現および構成の的確性
・科学的・論理的思考能力
・独創性
出席率60%以上のものを評価対象とし、小レポートの平均点を100点満点に換算して評価を与える。

有する実務経験と授業への活用         

他学部履修の条件         

テキスト・教科書         

講義毎に資料を配布する。教科書は使用しない。 No textbook is necessary.

講義指定図書         


参照ホームページ         




研究室のホームページ         

備考         

更新日時         
2024/02/14 18:53:08

授業実施方式         
対面授業科目《対面のみ》

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